レースペース戦略計算
レースを区間ごとに計画し、各区間に別々の目標ペースを割り当てて、予想フィニッシュタイムと全体の平均ペースを求めます。ネガティブスプリットやイーブンペース配分の検証に使えます。
入力
- 1このレース区間がカバーする距離。ペースを変えるポイントごとにコースを区間に分割する。たとえば「抑えた入り」「丘の続く中盤」「上げて入るラスト」のように設定する。/kmこの区間で維持する目標ペース。min/km または min/mile を上のメニューで切り替えられます。上り坂や慎重な入りにはゆっくりめの値、ラストスパートには速めの値を設定する。
結果
| 合計距離 (km) | 予想フィニッシュタイム (時:分:秒) | 区間ペース (分:秒/km) | 平均ペース (分:秒/km) |
|---|
ペース戦略とは
ペース戦略とは、目標タイムを達成するために、距離あたりの走行ペースをコースの各区間へ配分することです。ひとつの変わらないペースで走り切れるレースはほとんどなく、フルマラソンであれば「抑えた入り」「安定した中盤」「上げて入るラスト」のように区切られ、アップダウンの多いコースでは上りで力を抑え、下りで時間を取り戻す配分になります。コースを区間に分け、それぞれに目標ペースを割り当てると、予想フィニッシュタイムと全体の平均ペースが求まります。後半を前半より速く走るネガティブスプリット(前半の所要時間より後半の所要時間を短くする配分)、全区間を同じペースで走るイーブンペース、あるいは意図的なペース配分の検証に用います。
計算の仕組み
レースを 個の区間に分け、各区間を距離 と目標ペース (単位距離あたりの時間)で定義します。
平均ペースは 距離加重ではなく時間加重 です。これはウォッチが表示する値とも、公式記録の計算とも一致します。遅いペースで多くの時間を過ごす計画は、速い部分と遅い部分の距離が等しくても、平均ペースは遅くなります。
平均ペースと直感のずれ
遅いペースに費やす 時間 が多いほど、平均はそちらに引き寄せられます。5 km を 4:00/km(20分)と 5 km を 6:00/km(30分)を考えると、平均ペースは 50分 ÷ 10km = 5:00/km。分割が対称なので、ちょうど2つのペースの中間になります。ところが 5 km を 4:00/km(20分)と 1 km を 8:00/km(8分)に変えると、距離 の大半は速く走ったのに、遅い 1 km が8分を積み上げ、平均ペース = 28分 ÷ 6km = 4:40/km。フィニッシュタイムが組み上がる元になるのは、この時間加重の値です。
遅いペースに費やす 時間 が多いほど、平均はそちらに引き寄せられます。3 mile を 6:30/mile(19:30)と 3 mile を 9:30/mile(28:30)を考えると、平均ペースは 48分 ÷ 6 mile = 8:00/mile。分割が対称なので、ちょうど2つのペースの中間になります。ところが 3 mile を 6:30/mile(19:30)と 1 mile を 13:00/mile(13:00)に変えると、距離 の大半は速く走ったのに、遅い 1 mile が13分を積み上げ、平均ペース = 32:30 ÷ 4 mile ≈ 8:08/mile。フィニッシュタイムが組み上がる元になるのは、この時間加重の値です。
活用シナリオ
1. フルマラソンのネガティブスプリット
定番のネガティブスプリット計画は、後半を前半よりわずかに速く走ります。前半を 4:30/km、後半を 4:20/km に設定 — それぞれの区間に 21.0975 km を入力7:15/mile、後半を 6:58/mile に設定 — それぞれの区間に 13.1 mile を入力します。計算機は予想フィニッシュタイムと平均ペースを返し、速い後半がどれだけ時間を生むか(ここでは前後半でおよそ3〜4分)をはっきり示します。
2. アップダウンのあるコースのペース配分
起伏のあるコースでは一定ペースは保てません。ルートを上り・下り・平坦の区間に分け、それぞれに現実的なペースを与えます — たとえば 3 km の上りを 5:30/km、3 km の下りを 4:30/km、平坦区間を 5:00/kmたとえば 2 mile の上りを 8:50/mile、2 mile の下りを 7:15/mile、平坦区間を 8:00/mile とします。予想フィニッシュタイムは、非現実的な平坦コース換算ではなく、実際の地形を反映したものになります。
3. ラン・ウォーク戦略
ラン・ウォーク(ギャロウェイ法)は、ランニングと短いウォーキング休憩を交互に繰り返します。ランニング部分を走るペースで、ウォーキング休憩を別区間として歩くペースで入力すればモデル化できます。合計時間にウォーキング休憩が正直に含まれるため、現実的なフィニッシュタイム目標を立てるのに役立ちます。
4. ポジティブスプリット配分の検証
序盤を速く走り終盤を落とすポジティブスプリット配分は、速い最初の 10 km6 mile のあとに遅めの残りを置く計画として入力できます。同じ距離のイーブンペース計画と予想フィニッシュタイムを比較すると、イーブンまたはネガティブ配分のほうが速くなることが多くあります。終盤の遅い区間で積み上がる時間が、序盤の速い区間で節約した時間を上回る傾向があるためです。
注意点
- 各区間ではペース一定を前提とする。 実際の走りは区間内でも変動するため、入力するペースはその区間の平均値として扱われます。
- 疲労モデルはない。 蓄積疲労による減速は予測されません。入力値には、走り出しの脚のペースではなく、レース終盤に現実的に維持できるペースが適しています。
- 給水所や停止は、追加したぶんだけ反映される。 給水所での一時停止やトイレ休憩は失われた時間であり、予想フィニッシュタイムに含めるには、ごく短く非常に遅い区間として追加します。
- 地形・暑さ・混雑はモデル化していない。 予想フィニッシュタイムは予行演習用のペース計画であり、保証された結果ではありません。
よくある質問 (FAQ)
「平均ペース」は時間加重ですか、距離加重ですか?
時間加重です。合計時間 ÷ 合計距離で計算します。レース終了時に GPS ウォッチが表示する「平均ペース」と同じ定義で、距離ではなく所要時間に応じて各区間を重み付けします。
ウォーキング休憩や給水所での立ち止まりはどう入れればいいですか?
ウォーキング休憩は、その距離と歩くペースを持つ別の区間として追加してください。ほぼ立ち止まる給水所での停止は、ごく短い距離と非常に遅いペースを入力すれば、失った時間も予想フィニッシュタイムに反映されます。
バイクや水泳でも使えますか?
使えます。式は単位を問いません。すべてのペースを同じ min/km の形式で揃えて入力してください。バイクは通常ペースではなく速度で計画しますが、水泳なら分/100m をペースとして入力すれば同じように使えます。
使えます。式は単位を問いません。すべてのペースを同じ min/mile の形式で揃えて入力してください。バイクは通常ペースではなく速度で計画しますが、水泳なら分/100yd をペースとして入力すれば同じように使えます。
遅い区間を1つ加えるだけで平均ペースが大きく変わるのはなぜ?
遅い区間ほど距離あたりの「時間」を多く積み上げるためです。1 km を 8:00/km で走ると8分、4:00/km なら4分。レース終盤の遅い 1 km が一つあるだけで、全体の平均ペースは遅い側にはっきりと引っ張られます。
遅い区間ほど距離あたりの「時間」を多く積み上げるためです。1 mile を 13:00/mile で走ると13分、6:30/mile なら 6:30。レース終盤の遅い 1 mile が一つあるだけで、全体の平均ペースは遅い側にはっきりと引っ張られます。
免責事項
本ツールは各区間内でペース一定を前提に計算しています。実際のレースは地形・天候・混雑・疲労によって変動します。予想フィニッシュタイムはペース計画の目安としてご利用ください。記録を保証するものではありません。