ベクトルの大きさの計算
コンマ区切りの成分からn次元ベクトルの大きさ(ノルム)と単位ベクトルを計算します。2次元・3次元・高次元に対応。
入力
結果
ベクトルの大きさとは
ベクトルの大きさとは、原点からベクトルの先端までの直線距離のことです。n次元ベクトル v = (v₁, v₂, …, vₙ) のユークリッドノルムは次の式で定義されます。
この計算機では、コンマ区切りの成分(例:2次元なら 3, 4、3次元なら 1, 2, 3)を入力すると、大きさ・次元数・同じ向きを持つ単位ベクトルをまとめて求めることができます。
公式の由来
この公式は三平方の定理(ピタゴラスの定理)をn次元に拡張したものです。2次元では、ベクトル (a, b) は直角三角形の斜辺を成すため となります。3次元では、ベクトル (a, b, c) は直方体の体対角線に対応し です。次元数がいくつであっても考え方は同じで、全成分の2乗を合計して平方根を取るだけです。
計算例
問題: ベクトル v = (3, 4, 12) の大きさと単位ベクトルを求めなさい。
ステップ1 — 各成分を2乗して合計する:
ステップ2 — 平方根を取る:
ステップ3 — 各成分を大きさで割って単位ベクトルを求める:
解釈: ベクトル (3, 4, 12) の長さは13です。単位ベクトルはその向きを表しており、「1単位進む間に横方向に3/13、上方向に4/13、奥行き方向に12/13だけ移動する向き」を示しています。
単位ベクトルとは
単位ベクトルとは大きさがちょうど1のベクトルです。元のベクトルの向きを保ったまま、大きさの情報を取り除いたものと考えられます。各成分を |v| で割ることで求められます。
単位ベクトルは「向きだけ」を表現したいときに使います。
- 物理: 力・速度の向き、面の法線方向
- 3Dグラフィックス: ライティング計算、カメラ姿勢
- 機械学習: コサイン類似度、特徴量の正規化
- 測量・ナビゲーション: 変位ベクトルから方位を求める
なお、零ベクトル(全成分が0)は大きさが0であるため単位ベクトルは定義できません。
その他のノルム
L²ノルム(ユークリッドノルム)が最も一般的ですが、用途に応じて以下のノルムも使われます。
| ノルム | 計算式 | 別名 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| L¹ | Σ |vᵢ| | マンハッタン距離・タクシー距離 | スパース推定(LASSO)、格子上の距離 |
| L² | ユークリッドノルム | 幾何学、物理、コサイン類似度 | |
| L∞ | max |vᵢ| | チェビシェフ距離 | チェスの移動数、制御工学 |
この計算機はL²ノルム(ユークリッドノルム)を計算します。科学・工学における「ベクトルの長さ」は通常このノルムを指します。
主な活用場面
- 物理: 速度ベクトルの各成分から速さ(大きさ)を求める
- 3Dグラフィックス: ライティング計算の前に面法線ベクトルを正規化する
- データサイエンス: コサイン類似度検索の前に特徴ベクトルをL²正規化する
- ロボット工学: 関節変位ベクトルから手先の到達距離を求める
- 測量・GPS: (東方向, 北方向, 上方向) の変位から直線距離を計算する
成分の入力について
- 成分はコンマで区切って入力します:
3, 4や1, 2, 3、0.5, -1.2, 0.8, 2.0のように記述してください。 - 負の成分も問題ありません — 2乗するので符号は結果に影響しません。
- 小数の成分も使えます:
1.5, 2.5を入力すると |v| ≈ 2.915476 となります。 - 成分が1つだけ(例:
5)の場合、大きさは5、単位ベクトルは (1) になります — これも公式の自然な帰結です。
よくある質問 (FAQ)
ベクトルの大きさとは何ですか?
ベクトルの大きさ(長さ・ノルムとも呼びます)は、原点からベクトルの先端までの直線距離です。n次元ベクトル v = (v₁, v₂, …, vₙ) の大きさは |v| = √(v₁² + v₂² + ⋯ + vₙ²) で求められます。これはユークリッドノルム(L²ノルム)と呼ばれ、三平方の定理を任意の次元数に拡張したものです。たとえば v = (3, 4) なら |v| = √(9 + 16) = 5 となります。
単位ベクトルはどうやって求めますか?
単位ベクトルとは、大きさがちょうど1で、元のベクトルと同じ向きを持つベクトルです。各成分をベクトルの大きさで割ることで求められます:v̂ = v / |v| = (v₁/|v|, v₂/|v|, …, vₙ/|v|)。単位ベクトルは「向きだけ」を表現したいときに使います。具体的には、物理の力の向き・3Dグラフィックスの法線ベクトル・機械学習のコサイン類似度計算などで活用されています。
3次元以上でも同じ公式が使えますか?
|v| = √(Σ vᵢ²) という公式は次元数に関わらず成り立ちます。3次元ベクトル (a, b, c) なら √(a² + b² + c²) — これは直方体の体対角線の長さに対応します。4次元以上は図形的に直感しにくいですが、計算の手順はまったく同じです。成分の2乗をすべて足し合わせて平方根を取るだけです。この計算機はコンマ区切りで何次元でも入力できます。
L¹ノルムやL∞ノルムとは何ですか?
ユークリッドノルム(L²)以外にも、よく使われるノルムがあります。L¹ノルム(マンハッタン距離)は各成分の絶対値の和:‖v‖₁ = |v₁| + |v₂| + ⋯。スパース推定(LASSO回帰)や格子状の経路距離に使われます。L∞ノルム(チェビシェフ距離)は成分の絶対値の最大値:‖v‖∞ = max(|v₁|, …, |vₙ|)。チェス盤上の移動距離や制御工学で登場します。一般に「ベクトルの長さ」といえばL²ノルム(ユークリッドノルム)を指します。