幾何平均の計算
入力
| 正の数値(カンマ区切り) | 2, 8, 32 |
|---|
結果
| 幾何平均 | 8 |
|---|---|
| 算術平均 | 14 |
| 総乗 | 512 |
| 個数 | 3 |
幾何平均の計算
正の数値の集合から幾何平均・算術平均・総乗を計算します。成長率・比率・指数など乗法的データの代表値を求める際に使用します。
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結果
詳細
幾何平均とは
幾何平均(相乗平均)は、n 個の正の数値 x₁, x₂, …, xₙ の積の n 乗根として定義されます。
G=(x1×x2×⋯×xn)1/n数値的に安定した等価な形として、対数を用いた計算式があります。
G=exp(nlnx1+lnx2+⋯+lnxn)両式は同じ結果を与えますが、対数形式は多数の大きな値の積を直接計算する際に生じる浮動小数点のオーバーフローを回避できます。この計算機は内部で対数形式を使用しています。
幾何平均を使う場面
幾何平均は、数値が「加算」ではなく「乗算」によって意味をなすデータに適した代表値です。主な応用は次の 3 つです。
利回りと成長係数。 ある投資が 1 年目に 20% 上昇し 2 年目に 10% 下落した場合、成長係数はそれぞれ 1.20 と 0.90 です。算術平均は 1.05 となり「毎年 5% の利益」を示唆しますが、実際の 2 年間の結果は 1.20 × 0.90 = 1.08、つまり合計 8% の上昇であり、等価な年率は √1.08 ≈ 1.039(約 3.9%)です。成長係数の幾何平均はこの 3.9% を正確に与えます。算術平均では過大評価になります。
物価指数と比率。 異なる基準単位をもつカテゴリにわたって比率や指数値を平均する場合、幾何平均は各値を同じ乗法的構造で扱い、絶対値の大きい項目への偏りを抑えます。
対数正規分布に従うデータ。 細菌数・地震のマグニチュード・所得分布など、数桁にわたる範囲に散らばるデータは、対数正規分布の中央値に対応する幾何平均で要約するのが適切です。
使い分けの目安:気温・距離・試験点数などの加法的データには算術平均を、成長率・物価指数・縦横比などの乗法的データには幾何平均を使います。
計算例
3 年間の投資収益率が 12%、−8%、24% であるとします。成長係数に変換すると 1.12、0.92、1.24 です。
- 総乗: 1.12 × 0.92 × 1.24 ≈ 1.2777
- 幾何平均: 1.2777^(1/3) ≈ 1.0851
- 等価な年率: 約 8.51%
- 算術平均: (1.12 + 0.92 + 1.24) / 3 ≈ 1.0933(年率 9.33% を示唆)
算術平均が持続可能なリターンを過大評価するのは、損益の複利的な相互作用を考慮しないためです。幾何平均の年率 8.51% で 3 年間運用すると、元本 10 万円は 10 万円 × 1.2777 ≈ 127,770 円となり、実際の結果と一致します。
AM-GM 不等式
正の数の任意のリストに対して、算術平均(AM)は常に幾何平均(GM)以上になります。
nx1+x2+⋯+xn≥(x1×x2×⋯×xn)1/n等号が成立するのは、すべての値が等しい場合に限ります。2 つの平均の差はデータの散らばりが大きいほど広がり、乗法的な意味での分散の指標として利用できます。
AM-GM 不等式は数学の広い領域に現れます。幾何学的な解釈の一例として、周囲長が一定の長方形の中で面積が最大になるのは正方形(辺の長さが等しい)です。長方形の面積は 2 辺の長さの幾何平均の 2 乗に等しく、辺の長さが等しいとき(算術平均と幾何平均が一致するとき)に最大になります。
対数計算とオーバーフロー
多数の値の積を直接計算すると、値が中程度の大きさであっても浮動小数点のオーバーフローが発生することがあります。各値の自然対数を取り、その平均を求めて指数変換することで、この問題を回避できます。
G=exp(n1i=1∑nlnxi)対数変換によって乗算が加算に、べき乗がスカラー倍に変わるため、中間値は常に数値的に安全な範囲に収まります。
他の平均との関係
幾何平均は、ピタゴラス平均と呼ばれる 3 つの平均の 1 つです。
- 算術平均(AM): 二乗誤差の和を最小化。外れ値の影響を受けやすい。
- 幾何平均(GM): 対数空間での二乗誤差の和を最小化。乗法的データに適している。
- 調和平均(HM): 各値の逆数の算術平均の逆数。速度や比率の平均に適している。
正のデータに対しては、HM ≤ GM ≤ AM が常に成立します。この計算機は GM と AM の両方を表示するため、両者を直接比較できます。
関連計算機
- 平均・中央値・最頻値の計算 — 算術平均・中央値・最頻値・範囲
- 加重平均の計算 — 各値に重みを付けた加重平均
- 分散・標準偏差の計算 — 分散と標準偏差
- 記述統計量計算ツール — 歪度・尖度を含む記述統計
よくある質問 (FAQ)
幾何平均と算術平均はどのように使い分ければよいですか?
幾何平均は、成長率・利回り・比率など「掛け合わせて意味をなすデータ」に適しています。たとえば、ある投資が 1 年目に 50% 増加し 2 年目に 33.3% 減少した場合、算術平均の変化率(+8.5%)は実態より高い値を示します。幾何平均を用いると、同じ累積結果をもたらす等価な年率(0%)が正確に求められます。
目安として、加法的なデータ(気温・長さ・試験点数)には算術平均を、乗法的なデータ(成長率・物価指数・縦横比)には幾何平均を使用します。
入力値がすべて正でなければならない理由は何ですか?
幾何平均は「n 個の値の積の n 乗根」と定義されています。値に 0 が含まれると積が 0 になり、他の値の大きさに関わらず幾何平均は 0 になります。負の値が含まれる場合、個数が偶数であれば積は正になりますが、データの「中心」としての解釈ができません。個数が奇数の場合は積が負になり、実数の n 乗根は存在しても平均としての意味を持ちません。
実際の応用では、幾何平均は価格・長さ・人口・リターン係数など、本来的に正の値をとる量に使われます。
幾何平均と複利成長の関係はどのようなものですか?
一連の成長率の幾何平均は、その変動する成長率と同じ最終値をもたらす「等価な一定成長率」に相当します。n 期間の成長係数を r₁、r₂、…、rₙ とすると、最終値は初期値に r₁ × r₂ × … × rₙ を掛けた値です。幾何平均 G = (r₁ × r₂ × … × rₙ)^(1/n) は、毎期一定で適用した場合に同じ最終値を与える係数です。
例として、成長係数 1.20、0.90、1.15 の幾何平均はおよそ 1.075 となり、1 期あたり約 7.5% の等価成長率に相当します。
AM-GM 不等式とは何ですか?
AM-GM 不等式(相加平均・相乗平均不等式)は、正の数の任意のリストに対して、算術平均(相加平均)は幾何平均(相乗平均)以上であり、等号成立はすべての値が等しい場合に限る、という関係を示します。
式で表すと:(x₁ + x₂ + … + xₙ) / n ≥ (x₁ × x₂ × … × xₙ)^(1/n)
AM と GM の差は、データの散らばりが大きいほど大きくなります。この計算機は両方の値を表示するため、不等式の関係を直接確認できます。AM-GM 不等式は最適化問題・幾何学・金融など幅広い分野で応用されています。