複利計算
入力
| 運用モード | 積立 — 毎月入金して増やす |
|---|---|
| 複利頻度 | 月複利 |
| 初期元本 | 10,000 ドル |
| 毎月の入出金 | 500 ドル |
| 年利(名目) | 6 % |
| 運用期間 | 20 年 |
| 年間インフレ率 | 0 % |
グラフ
複利計算
元本・毎月の積立/取り崩し・年利・複利頻度を入力し、長期運用後の名目残高と実質残高を試算します。新NISAやiDeCoの計画にも対応。
入力
元本と毎月の入出金
利回りと期間
インフレ調整(任意)
結果
値を入力すると計算結果が表示されます。
詳細
シナリオ
現在の入力を保存すると、複数シナリオを並列表示して比較できます。
複利とは何か
複利とは、各期に発生した利息を元本に組み入れ、翌期以降はその利息にもさらに 利息を付ける利息計算方式です。残高は時間に対して指数関数的に増加するため、 年6%でも30年運用すれば最終残高は拠出額の3〜5倍になり、期間が長くなるほど その差は加速度的に広がります。単利との違いはこの「利息にも利息」の一点にあり、 長期運用ではこの違いが残高の支配的要因になります。
本計算機は汎用設計です。積立(新NISA・iDeCo・ETFの毎月買付け、 緊急予備資金の積み上げ)と、取り崩し(4%ルール的にポートフォリオから 生活費を切り出す)の両方を一つの画面で扱えます。複利頻度の切替、 任意のインフレ調整、シナリオ並列比較も備えています。
計算式
元本 、毎月のキャッシュフロー (積立は正、取り崩しは負)、 年利 、年あたり複利回数 、運用年数 とすると、最終残高 は 次の公式で直接求められます。
FV=P(1+nr)nt+C⋅(1+nr)n/12−1(1+nr)nt−1第1項は元本 のみを複利で増やした部分、第2項は毎月の積立または取り崩しを 複利のなかへ織り込んだ「年金終価係数」を、複利頻度 が月次(12回/年)と 異なるケースに拡張した形です。分母の $(n/12)$ 乗がその調整を担っており、 $n = 12$ なら教科書で見慣れた に 収束します。ゼロ金利のときも整合的に計算できるよう設計されており、 その場合は の線形式を適用します。
数値例 — 月5万円・年7%・30年
元本 0 円、毎月5万円ずつ年利7%(月複利)で30年積み立てる場合を考えます。 $P = 0$、$C = 50{,}000$、$r = 0.07$、$n = 12$、$t = 30$ を代入すると、
FV=50,000⋅(1+0.07/12)−1(1+0.07/12)360−1≈61,000,000最終残高はおよそ6,100万円となります。拠出累計は 万円、 差額の約4,300万円がすべて複利による運用益です。
結果の読み方
注目すべきは最終残高そのものより、拠出額と最終残高の差です。 上の数値例では運用益が拠出額の2倍を超え、最終残高の約70%を複利が 生み出しています。複利が効き始める目安は、運用益が積立額を 上回る時点に置けます。
インフレ調整を有効にすると、実質残高(紫)の曲線が追加されます。 名目で1,000万円あっても、年2%インフレが30年続けば今日の購買力換算では 550万円程度。名目残高だけで老後設計をすると、実際の生活水準を 過大評価するリスクがあります。インフレの長期影響を別の角度から把握したい場合は
インフレ計算 も参考になります。
複利頻度の効果
年6%・元本100万円・期間30年で、追加の毎月積立がない場合の比較です。
| 複利頻度 | 最終残高 |
|---|---|
| 年複利 | 約574万円 |
| 四半期 | 約597万円 |
| 月複利 | 約602万円 |
| 日次 | 約605万円 |
年複利と月複利の差ははっきり意味がありますが、月複利と日次の差は わずかです。商品を選ぶときに複利頻度を最優先するのはほぼ意味がありません。 手数料(信託報酬)・税制(新NISA・iDeCo)・資産クラスを優先して 選ぶほうが結果に与える影響は桁違いに大きい、というのが実用上の結論です。
取り崩しと4%ルール
取り崩しモードでは、毎月のキャッシュフローを残高から差し引きます。 「現在のポートフォリオは、この引き出し率で何年もつか」は、FIRE(経済的自立・早期退職) を目指す人が最初に直面する問いです。この問いの出発点として広く参照されるのが、 トリニティ・スタディ(1998年、米国トリニティ大学の研究者らによる論文)です。 米国株中心ポートフォリオから物価連動で年4%を引き出した場合、 過去の30年区間で約95%が資産枯渇せずに生き残ったことを示しました。
ただし本計算機が捉えきれない論点が2つあります。
- 順序リスク(sequence-of-returns risk)。同じ平均リターンでも、 最初の10年が不調かどうかで取り崩し中の資産寿命は大きく変わります。 本計算機は定数リターンを仮定するため、ここを平準化してしまっています。
- 物価連動引き出し。本計算機は毎月の引き出し額を名目で一定として 扱います。4%ルール文献は毎年消費者物価指数に合わせて引き出し額を 増やす想定が標準的なので、初期引き出しを元本の4%に置き、インフレ調整を 有効化して「実質残高」のカーブで確認するのが代用となります。
円ベース・国内資産中心のポートフォリオでは、トリニティのドルベースの 結果より保守的に、初期引き出し率を3〜3.5%に抑える主張も根強いことを 付記しておきます。目標額から必要な積立額を求めるには貯蓄目標プランナーが役立ちます。
シナリオ並列比較の使いどころ
入力フォーム下の「スナップショット保存」は、複利計画の前提を振った 比較に向いています。現在の入力でスナップショットを残し、リターンを6%→7%に 上げる、期間を5年延ばす、積立額を倍にする、といった変更を加えると、 カードに旧結果が固定され直接比較できます。チャート上には保存した シナリオの成長曲線がすべて重ねて表示されます。
参考になる比較例:
- 時間 vs 金額。月5万円×30年と月10万円×20年。総拠出は同じでも 最終残高は大きく違います。
- 頻度の効き。年複利/月複利/日次でシナリオを並べると、頻度の効果が 本当に小さいことを目視で確認できます。
- インフレ侵食。インフレ率を 0% → 2% → 4% と並べると、実質残高曲線 (紫)が名目曲線からどれだけ離れるかを確認できます。
よくある質問 (FAQ)
複利頻度の違いはどれくらい結果に効きますか?
同じ年6%でも、元本100万円を30年運用すると、年複利で約574万円、月複利で約602万円、日次複利で約605万円になります。年複利と月複利の差は実務上意味がありますが、月複利と日次複利の差はごくわずかです。実商品を選ぶときは複利頻度より、手数料・税制(新NISA・iDeCo)・資産クラスを優先するほうが結果への影響は大きくなります。
貯蓄シミュレーターとの違いは何ですか?
貯蓄シミュレーターは「目標額に到達するには毎月いくら積めばよいか」を求める目的別の計算機で、月複利固定です。本計算機は汎用で、複利頻度の選択・取り崩しモード・シナリオ並列比較が可能です。詳しくは貯蓄シミュレーターをご参照ください。
4%ルールは本当に安全ですか?
経験則であって保証ではありません。この数字の根拠は、トリニティ・スタディ(1998年発表、米国トリニティ大学の研究者によるリタイアメント研究)です。米国株偏重ポートフォリオから物価連動で年4%引き出した場合、過去30年スパンで約95%が資産枯渇せず生き残ったという結果に基づきます。順序リスク、長期化、低成長局面では崩れます。円建て・国内資産中心のポートフォリオでは3〜3.5%程度に抑える保守的な見解も根強いです。
なぜ利息が拠出額を超えることがあるのですか?
前年の利息が翌年の利息を生む、まさに複利の効果です。年6%・30年・月5万円積立だと、拠出累計1,800万円に対し最終残高は約5,000万円。差額の3,200万円が運用益です。複利が本当に効き始めたかどうかは、利息が拠出額を超えた瞬間で判断できます。
免責事項
本計算機は、毎月のキャッシュフロー・名目リターン・インフレ率がすべて一定という前提です。実際の市場は価格変動が大きく、税金・信託報酬・為替・順序リスクがリターンを目減りさせます。投資助言ではありません。個別の老後設計や大口資産の運用は、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)・FP(ファイナンシャルプランナー)・税理士など有資格の専門家にご相談ください。