給与の年間手取り計算
年収(給与)と賞与を入力すると、協会けんぽ 47 都道府県別の社会保険料・所得税・住民税を自動計算し、年間・月額の手取りを試算します。令和 7〜8 年の基礎控除・給与所得控除の改正に対応。
入力
対象年度
収入と社会保険料
年間の給与(賞与を除く)と年間賞与から、協会けんぽの料率テーブルを使って社会保険料を自動計算します。組合健保・共済組合の方は「保険料率の手動設定」または「手入力」モードをお使いください。
保険料率の手動設定(任意)
配偶者
扶養親族
掛金・保険料・医療費(任意)
ひとり親・寡婦・障害者控除(任意)
住宅ローン控除(任意)
結果
値を入力すると計算結果が表示されます。
詳細
計算の流れを見る(任意)
シナリオ
現在の入力を保存すると、複数シナリオを並列表示して比較できます。
年収の手取りの目安
会社員の手取りは、年収(額面)から 社会保険料・所得税・住民税 を引いた残りです。目安として、手取りは額面のおおよそ 75〜85%(年収が高いほど割合は下がります)になります。
ただし、これはあくまで 概算 です。実際の手取りは、配偶者や扶養している家族の有無、iDeCo や保険料などの控除、給与と賞与の配分によって変わります。このツールに年収・賞与・家族構成・控除を入れると、これらを反映した手取りを試算できます。
令和 8 年(2026 年)の最新ルールに対応し、前年の令和 7 年も切り替えられます。
年収から引かれる 3 つのもの
- 社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険、令和 8 年からは子ども・子育て支援金も) — 年収のおよそ 15% で、3 つの中で最も大きい負担です。会社も同額(またはそれ以上)を負担しています。
- 所得税 — 国に納める税金です。所得が高いほど高い税率がかかります(累進課税)。毎月の給与からは概算で天引きされ、1 年分の正確な額は年末調整で精算されます。
- 住民税 — 住んでいる市区町村と都道府県に納める税金で、所得のおよそ 10% です。前年の所得 をもとに計算されるため、退職・転職した翌年は、収入が下がっていても前年ベースの住民税がかかります。
控除が多いほど税金は減る
所得税・住民税は、年収そのものではなく、各種の控除を引いたあとの金額 にかかります。当てはまる控除が多いほど、税金が減って手取りが増えます。このツールでは次の控除を反映できます。
- 配偶者控除・配偶者特別控除
- 扶養控除(子どもや親などを扶養している場合)
- iDeCo・小規模企業共済の掛金
- 生命保険料・地震保険料
- 医療費控除
- 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)
- ひとり親・寡婦控除、障害者控除
手取りが変わる場面
年収が上がっても手取りは比例しない
所得が増えるほど高い税率がかかるため、年収が上がっても手取りは同じ割合では増えません。たとえば年収 600 万円から 700 万円に上がっても、増えた 100 万円のうち所得税・住民税・社会保険料で約 45 万円が引かれ、手取りの増加は 約 55 万円 にとどまります。
iDeCo などで節税できる
iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は、全額が所得控除になります。年収 500 万円の方が年 27.6 万円(月 23,000 円)拠出すると、所得税・住民税が合わせて 約 5.6 万円 軽くなります。「iDeCo・小規模企業共済の掛金」欄に入れると手取りに反映されます。
配偶者の年収と「壁」
配偶者の年収が一定額以下なら配偶者控除が受けられ、超えると段階的に減っていきます。さらに本人の所得が高い(合計所得 900 万円超)と、控除額が減っていきます。配偶者の年収を入れると、世帯の手取りが最大になる年収帯を探せます。
住む地域による差
健康保険料率(協会けんぽ)は都道府県ごとに少しずつ違います。年収 500 万円で最も低い県と高い県を比べると、年 1〜2 万円ほどの差が出ます。都道府県を切り替えて、引っ越し先での手取りを比べられます。
ふるさと納税の目安
ふるさと納税で寄付できる上限の目安は、住民税の所得割のおよそ 20% です。このツールで住民税額を確認したうえで、ふるさと納税控除上限額シミュレーター で寄付の上限額を試算できます。
どこまで正確?(精度の目安)
このツールは、年収から手取りを 概算 するものです。安定した年額を入れて 1 年分をまとめて試算するため、次のような理由で実際の手取りとは差が出ます。
- 年の途中の変化 — 昇給・降給、育児休業や休職などがあると、社会保険料や税額が変わります。
- 賞与の回数・時期 — 社会保険料の計算がわずかに変わります。
- 給与以外の所得は含まない — 副業(雑所得・事業所得)、株式・FX、不動産、退職金などは反映しません。
- 控除の細かい上限の違い — 生命保険料控除などで、数千円程度の差が出ることがあります。
手取りの正確な額は、年末調整や確定申告で確定します。 毎月の給与明細 1 枚を検算したい場合は、給与の月手取り計算 のほうが向いています。
詳しい計算の仕組み(知りたい方向け)
ここからは、手取りが決まるまでの流れを知りたい方向けの説明です。実際の数値は、計算欄の「計算の流れを見る」で、入力に応じて段階的に確認できます。
手取りは、次の順序で計算されます。
- 社会保険料を計算する — 年収を 12 で割った月給を「標準報酬月額」に当てはめ、健康保険・厚生年金・雇用保険などの本人負担を求めます。
- 給与所得を求める — 年収から「給与所得控除」(働く人の必要経費にあたる控除)を引きます。令和 8 年分は最低 74 万円が保障されます(令和 8 年度の税制改正で引き上げられました)。
- 所得控除を引く — 社会保険料・基礎控除・配偶者控除・扶養控除・iDeCo・保険料・医療費などを合計して引きます。
- 課税所得を求める — 残りが、税率をかける対象になる「課税所得」です。
- 所得税を計算する — 課税所得に応じて 5%〜45% の税率をかけ、復興特別所得税 2.1% を上乗せします。住宅ローン控除はここで差し引きます。
- 住民税を計算する — 前年の所得をもとに、所得割(約 10%)と均等割(年 5,000 円程度)で計算します。
- 手取りを求める — 年収から、社会保険料・所得税・住民税を差し引いた残りが手取りです。
なお、令和 8 年度の税制改正で、給与所得控除の最低保障額(74 万円)と基礎控除(中所得層で最大 104 万円)が引き上げられ、令和 7 年分より所得税が軽くなっています。住民税の基礎控除は両年とも 43 万円で据え置きです。
このツールが扱わないこと
- 給与以外の所得 — 副業(雑所得・事業所得)、株式・FX、不動産、退職金は含みません。
- 組合健保・共済組合の料率 — 協会けんぽ以外は料率が異なります。「手入力」モードで源泉徴収票の数字を入れてください。
- 自治体独自の住民税の上乗せ(横浜市・名古屋市など一部)。
- 令和 7 年に新設された特定親族特別控除(19〜23 歳の親族向け)や、給与収入 850 万円超の所得金額調整控除。
正確な税額は、最終的に 源泉徴収票と確定申告書 で確定します。本ツールは、年収や控除を変えたときに手取りがどう動くかを試算するための概算ツールです。複雑なケースは、勤務先の給与担当や最寄りの税務署にご相談ください。
よくある質問 (FAQ)
社会保険料の自動算出はどの程度正確ですか?
協会けんぽの公式の保険料額表(47 都道府県別の健康保険料率、全国一律の介護保険料率、業種別の雇用保険料率、9.15% 固定の厚生年金)に基づいて計算しています。年間の給与 ÷ 12 を 50 等級の標準報酬月額に当てはめ、健康保険・介護保険・子ども子育て支援金は年度累計 573 万円、厚生年金は 1 回 150 万円の標準賞与額の上限にも対応しています。
誤差が生じる場合があります。等級の境目に近い月給の方では 5,000 円程度のずれが出ることがあります。賞与の上限判定は支給回数を均等割で見積もっているため、回数や時期が偏っている場合はわずかにずれます。
組合健保・共済組合に加入している方は料率が異なるため、「保険料率の手動設定」または「手入力」モードに切り替えてご利用ください。
令和8年(2026年)の改正点は?
2 つの大きな変更があります。
1 つめは「子ども・子育て支援金」の徴収開始です。少子化対策の財源として医療保険料に上乗せされ、被用者保険分は 0.23%(本人負担は 0.115%、労使折半後)。年収 500 万円で年 5,750 円程度の追加負担です。
2 つめは令和8年度税制改正による所得税の控除引き上げです。基礎控除は本則 62 万円に上がり、特例加算で合計所得 489 万円以下なら 104 万円・〜665 万円なら 67 万円。給与所得控除の最低保障額も 74 万円(恒久 69 万+特例 5 万)に引き上げられ、令和 7 年分より中所得層まで手取りが増えます。住民税の基礎控除(43 万円)は据え置きです。
令和 7 年(2025 年分)の改正点は?
基礎控除(所得税)と給与所得控除の最低保障額が引き上げられました。給与所得控除の最低保障は 55 万円から 65 万円へ。基礎控除は本則 58 万円に上がり、令和 7 年分限定の特例加算で合計所得 132 万円以下なら 95 万円・〜336 万円なら 88 万円・〜489 万円なら 68 万円・〜655 万円なら 63 万円となります。
低〜中所得層を中心に手取りが増えます。住民税の基礎控除(43 万円)は据え置きです。なお令和 8 年分はさらに改正され、基礎控除・給与所得控除が引き上げられています(前の質問を参照)。
所得税に 2.1% 上乗せされている「復興特別所得税」とは?
東日本大震災からの復興財源として、2013 年以降の所得税額に 2.1% が上乗せされている時限的な税です。令和 19 年(2037 年)まで継続される予定です。
本ツールの「所得税(年額)」は本体税額に復興特別所得税を加えた合計値で、給与明細・源泉徴収票上の所得税額と同じ基準です。
住民税が前年所得にかかるとはどういうことですか?
住民税は「前年(1〜12 月)の所得」に対して、翌年 6 月から翌々年 5 月までの 12 か月で徴収されます。たとえば 2025 年の所得に対する住民税は 2026 年 6 月から納付開始です。
転職・退職した翌年は、前年の所得が高くても当年の収入が下がっているため、相対的な負担感が大きくなります。本ツールが返す住民税額は、その所得水準に対応する「翌年に課される住民税」と読み替えてください。
なぜ「年収 100 万円アップで手取り 55 万円」程度しか増えないのですか?
額面増加分から、所得税(限界税率 × 1.021)・住民税(10%)・社会保険料(約 15%)が引かれるためです。
所得税 20% の段階では合計約 45% が控除に回り、手取り増は約 55% にとどまります。さらに高所得層では限界税率が 23%、33% と上がるため、手取り増の比率はさらに下がります。
本ツールに 2 つの年収を入れて差分を見ると、ご自身のケースでの「実質昇給率」を確認できます。
扶養の 4 区分はどう判定すれば良いですか?
いずれも「12 月 31 日時点の年齢」で判定します。15 歳以下は児童手当の対象のため、扶養控除としてはカウントしません。
16〜18 歳・23〜69 歳の親族は「一般扶養」(控除額は所得税 38 万円・住民税 33 万円)。19〜22 歳の子どもなどは「特定扶養」で控除額が大きく(所得税 63 万円・住民税 45 万円)、大学生年齢に対する優遇措置です。
70 歳以上の親と同居している場合は「同居老親」(所得税 58 万円・住民税 45 万円)、別居の 70 歳以上の親族は「その他老人扶養」(所得税 48 万円・住民税 38 万円)に該当します。
配偶者控除と配偶者特別控除はどう違いますか?
配偶者の年収(給与収入ベース)で線引きします。1,030,000 円以下なら「配偶者控除」(一般 38 万円、老人配偶者 48 万円、住民税はそれぞれ 33・38 万円)。
1,030,000 〜 2,016,000 円の範囲は「配偶者特別控除」で、配偶者の年収が増えるほど控除額が段階的に減ります。2,016,000 円を超えるとゼロになります。
さらに、本人の合計所得が 900 万円を超えると、配偶者控除/特別控除は 2/3 → 1/3 → 0 と逓減します。本ツールは配偶者の年齢と年収を入力すれば、これらの判定を自動で行います。
小規模企業共済等掛金控除(iDeCo など)はどう影響しますか?
小規模企業共済の掛金、確定拠出年金(iDeCo・企業型 DC)の掛金、心身障害者扶養共済の掛金などは、全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除になります。
例えば iDeCo に年間 27.6 万円(月 23,000 円)拠出していると、課税所得が 27.6 万円減り、所得税・住民税の両方が減ります。年収 500 万円・所得税 10% の段階の方なら、所得税約 28,180 円・住民税 27,600 円、合計約 55,780 円の節税効果になります。
本ツールの「小規模企業共済等掛金」欄に年間拠出額を入力すると、手取りに反映されます。
住宅ローン控除はどのように反映されますか?
「住宅ローン控除(任意)」セクションで年間控除額を入力すると、所得税本則からまず差し引かれ、引ききれなかった分が住民税所得割から最大 13.65 万円まで差し引かれます。
本ツールは令和 4 年以降の入居を想定しているため、それ以前の契約では住民税側上限が 9.75 万円となり、本ツールは過大に試算される可能性があります(最大誤差約 3,900 円)。
源泉徴収票の「住宅借入金等特別控除の額」欄、または年末ローン残高 × 0.7% を目安に入力してください。
医療費控除はどう計算されますか?
医療費控除は「年間医療費 −(10 万円と給与所得 × 5% のうち低い方)」で計算され、上限は 200 万円です。
本ツールに「年間医療費」を入力すると、自動でこの式を計算し課税所得から差し引きます。給与所得 200 万円以下の方は 5% の方が低くなる場合があり、医療費が 10 万円未満でも控除が生じます。なお、医療費控除を実際に受けるには確定申告が必要です。
高所得(年収 2,500 万円超など)の場合、何が変わりますか?
本ツールは、合計所得が高いと基礎控除(所得税・住民税ともに)が逓減する仕組みに対応しています。所得税は 2,350 万円以下の本来額(令和8年分 62 万・令和7年分 58 万)から、2,350 万超 48 → 2,400 万超 32 → 2,450 万超 16 → 2,500 万超 0 万円へ。住民税は 2,400 万超で 43 → 29 → 15 → 0 万円と段階的に減ります。基礎控除が減ると課税所得が増えるため、税額も増加します。
給与収入 850 万円超の「所得金額調整控除」(最大 15 万円)は本ツール未対応です。これがある場合は課税所得がやや減り、税額も少し下がる方向に補正されます。
年収 2,000 万円超の方は確定申告が必須となるため、源泉徴収票で給与所得を直接確認して入力するのが確実です。
育児休業を取得した年の社会保険料はどう変わりますか?
育児休業等の期間中は健康保険料・厚生年金保険料が免除される(本人負担分・事業主負担分とも)ため、その月数分だけ年間の社会保険料が減り、手取りが変わります。毎月分は月末が育休中、または同一月内に14日以上の育休(令和4年10月〜)、賞与分は賞与月の末日を含む連続1か月を超える育休が要件です。本ツールは通年でフルに社会保険料がかかる前提で計算するので、育休があった年は免除に該当する月・賞与の保険料を差し引いて見積もってください。出典: 日本年金機構「育児休業等期間中の保険料免除(令和4年10月改正)」。
免責事項
本ツールは、給与所得者の年間の手取りを概算するものです(令和 7・8 年度の税制と協会けんぽ料率にもとづく)。安定した年額を入れて 1 年分をまとめて試算するため、次のような理由で実際の手取りとは差が出ます。
- 年の途中の昇給・降給、育児休業・休職などで社会保険料や税額が変わる
- 賞与の回数・時期で社会保険料がわずかに変わる
- 給与以外の所得(副業・株式・不動産・退職金など)は含まない
- 各種控除の細かい上限の違いで、数千円程度の差が出ることがある
対応している主な控除: 配偶者控除・配偶者特別控除、扶養控除、iDeCo・小規模企業共済の掛金、生命保険料・地震保険料・医療費控除、ひとり親・寡婦控除、障害者控除、住宅ローン控除(住民税側への流れ込みを含む)。
含まれないもの: 給与以外の所得、組合健保・共済組合の料率(「手入力」モードでカバー)、自治体独自の住民税の上乗せ、特定親族特別控除、給与収入 850 万円超の所得金額調整控除など。
社会保険料は「年間の給与 ÷ 12」を月給とみなして計算するため、毎月の給与の変動は反映しません。給与明細 1 枚の検算は、月手取り計算機のほうが向いています。
最終的な納税額は年末調整・確定申告で確定します。複雑なケースは、税理士または最寄りの税務署にご相談ください。