暦年贈与税の計算
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| 贈与の種類 | 特例贈与(直系尊属 → 18 歳以上の子・孫) |
|---|---|
| 受贈者の年齢(贈与年 1/1 時点) | 25 |
グラフ
暦年贈与税の計算
暦年贈与税(110 万円基礎控除+累進税率 10〜55%)を即計算。同じ贈与額に対して一般贈与と特例贈与の税額を並列表示し、直系尊属からの贈与でいくら節税できるかをその場で確認できます。
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贈与税は年 110 万円まで無税
贈与税は、人から財産をもらったときにかかる税金です。ただし、1 年間(1〜12 月)にもらった合計が 110 万円までなら税金はかからず、申告も不要 です。110 万円を超えた分にだけ、金額に応じた税率(10〜55%)がかかります。これが「暦年課税」という基本のしくみです。
110 万円の非課税枠は、もらう人 1 人あたりの枠です。複数の人から少しずつもらっても、合計が 110 万円を超えれば課税対象になります。このツールに、もらった金額と贈り手との関係を入れると、贈与税の目安を試算できます。
まとまった額を一度に贈りたい場合は、別の方式(相続時精算課税)のほうが有利なこともあります。その試算は相続時精算課税の計算で扱います。
一般贈与と特例贈与
暦年課税の速算表は 一般贈与財産 と 特例贈与財産 の 2 種類があり、どちらが適用されるかは贈与の関係性で決まります。
- 特例贈与: 直系尊属(父母・祖父母)から、贈与年 1/1 時点で 18 歳以上 の子・孫に対する贈与。低い税率の速算表が使えます。
- 一般贈与: それ以外すべて(兄弟間、夫婦間、配偶者の親からの贈与、他人からの贈与、または直系尊属からでも 18 歳未満への贈与)。
本ツールでは、入力された贈与額に対して 両方の速算表で並列に税額を計算 し、特例適用によりいくら安くなるかを「一般 − 特例の税額差」として常に表示します。
速算表(出典: 国税庁 No.4408)
一般贈与財産
| 課税価格(基礎控除後) | 限界税率 | 速算控除額 |
|---|---|---|
| 200 万円以下 | 10% | — |
| 300 万円以下 | 15% | 10 万円 |
| 400 万円以下 | 20% | 25 万円 |
| 600 万円以下 | 30% | 65 万円 |
| 1,000 万円以下 | 40% | 125 万円 |
| 1,500 万円以下 | 45% | 175 万円 |
| 3,000 万円以下 | 50% | 250 万円 |
| 3,000 万円超 | 55% | 400 万円 |
特例贈与財産(直系尊属 → 18 歳以上の子・孫)
| 課税価格(基礎控除後) | 限界税率 | 速算控除額 |
|---|---|---|
| 200 万円以下 | 10% | — |
| 400 万円以下 | 15% | 10 万円 |
| 600 万円以下 | 20% | 30 万円 |
| 1,000 万円以下 | 30% | 90 万円 |
| 1,500 万円以下 | 40% | 190 万円 |
| 3,000 万円以下 | 45% | 265 万円 |
| 4,500 万円以下 | 50% | 415 万円 |
| 4,500 万円超 | 55% | 640 万円 |
計算例
特例贈与 500 万円
父から 25 歳の子に 500 万円を贈与した場合(特例贈与):
500万円−110万円=390万円(課税価格)課税価格 390 万円は特例速算表の「400 万円以下」段に当たり、限界税率 15%・速算控除 10 万円が適用されます。
390万×15%−10万=58.5万−10万=48.5万円同じ 500 万円を兄弟間(一般贈与)で渡した場合は、一般税表の「400 万円以下」段(20%・25 万円)が適用されて 53 万円となり、特例贈与より 4.5 万円高くなります。
1,000 万円贈与での差
同じ 1,000 万円でも、特例贈与(直系尊属→18 歳以上の子)と一般贈与で税額が大きく異なります。
| 区分 | 課税価格 | 計算式 | 税額 |
|---|---|---|---|
| 特例贈与 | 890 万 | 30% × 890 万 − 90 万 | 177 万円 |
| 一般贈与 | 890 万 | 40% × 890 万 − 125 万 | 231 万円 |
差額 54 万円が「直系尊属から 18 歳以上の子・孫に渡せること」によって生じる税額差です。本計算機の「一般 − 特例の税額差」フィールドが、入力した贈与額における差額を表示します。
暦年課税のメリットと注意点
暦年課税が有利になりやすいケース
- 贈与額が 毎年 110 万円前後 で、長期にわたって少しずつ渡したい
- 推定相続財産が比較的少なく、相続税がかからない見込み
- 受贈者が複数いて、それぞれに分散して贈与したい
- 贈与時点で値下がりリスクがあり、贈与時価で固定したくない
相続前 7 年内贈与の相続税加算(2024 年改正)
2024 年改正で、贈与者が亡くなった日からさかのぼって 7 年以内 に受け取った暦年贈与は、相続税の課税対象に加算されるようになりました(旧制度は 3 年、2024/1/1 以降の贈与から段階的に延長され 2031 年に 7 年が完成)。
加算される金額は「贈与時の価額」で、その期間中に支払った贈与税は相続税から控除されます。延長された 4〜7 年前の贈与については、合計 100 万円の控除があります。
これにより相続直前の駆け込み贈与の効果は薄くなりましたが、7 年より前に行った贈与は引き続き相続税の課税対象外で、暦年課税の節税効果は維持されます。長期計画(10 年〜)で進める場合は今でも有効な選択肢です。
定期贈与の認定
毎年同じ金額を同じ時期に贈与し続けると、税務署から「初年に定期金として一括贈与する契約があった」とみなされ、契約初年に総額が一括課税されるリスクがあります。
実務上は以下のような対応が無難とされます:
- 毎年の贈与金額・時期を変える
- 贈与契約書を毎年作成する
- 贈与者と受贈者の双方の口座を通じて記録を残す
- 受贈者本人が口座を管理する(贈与者が通帳を保管しない)
高額贈与での選択肢
おおむね 1,500 万円以上 の一括贈与を検討している場合は、相続時精算課税方式の方が贈与時点の税負担が大幅に軽くなる可能性があります。
例えば父から 25 歳の子に 3,000 万円を一括贈与する場合、暦年・特例贈与では:
3,000万−110万=2,890万円 2,890万×45%−265万=1,035.5万円一方、相続時精算課税方式なら 110 万 + 特別控除 2,500 万を消化したあと 390 万円の超過に 20% で 78 万円 と、13 倍以上の差が出ます。ただし精算課税は一度選ぶと暦年に戻せず、相続時に贈与財産が相続税の課税対象に加算される不可逆な選択です。精算課税方式の詳細な試算は「相続時精算課税の計算」が扱います。
その他の主要な特例(本ツールでは扱わない)
以下の特例は、本ツールの計算には含めていません。実務で活用する場合は別途、信託銀行や税務署にご相談ください。
- 教育資金一括贈与の非課税特例(最大 1,500 万円): 信託銀行などで管理口座を開設し、教育費の領収書管理が必要。受贈者 30 歳までに使い切らないと残額に贈与税。
- 結婚・子育て資金一括贈与の非課税特例(最大 1,000 万円): 同様に管理口座が必要。受贈者 50 歳までに使い切る。
- 贈与税の配偶者控除: 婚姻 20 年以上の夫婦間で、居住用不動産またはその取得資金の贈与に最大 2,000 万円の控除。
- 住宅取得等資金の非課税特例: 直系尊属からの住宅取得資金の贈与に最大 1,000 万円(省エネ住宅等は 1,500 万円)の非課税枠。
出典
よくある質問 (FAQ)
暦年課税と相続時精算課税はどう違いますか。どちらが有利ですか
暦年課税は毎年 110 万円の基礎控除があり、超過分に累進税率(10〜55%)がかかる原則的な方式。相続時精算課税は 60 歳以上の父母・祖父母から 18 歳以上の子・孫に贈与する場合に選択でき、特別控除 2,500 万円までは贈与税ゼロ、超過分は一律 20%です。
2024 年改正で精算課税にも年 110 万円基礎控除が新設され、110 万円以下なら申告も相続時加算も不要になりました。一方、暦年課税は相続前 7 年分の贈与が相続税の課税対象に加算される(旧 3 年から段階的に延長)方向に改正され、相対的に精算課税の優位性が高まっています。
ただし精算課税は一度選ぶと同じ贈与者からの贈与は暦年に戻せず、贈与財産は相続時に時価ではなく贈与時価で相続税の課税対象に加算されます。値上がりしそうな資産(自社株、都心の不動産)の生前贈与には精算課税が有利、現金の少額分散贈与には暦年が有利、というのが一般的な目安です。精算課税側の試算は「相続時精算課税計算機」で行えます。
一般贈与と特例贈与の違いは何ですか
「特例贈与」は直系尊属(父母・祖父母)から、贈与年 1/1 時点で 18 歳以上の子・孫に対する贈与で、一般贈与より低い税率の速算表が適用できます。
例えば課税価格(基礎控除後)500 万円の場合、一般贈与は 30% × 500 万 − 65 万 = 85 万円、特例贈与は 20% × 500 万 − 30 万 = 70 万円で、15 万円の差が出ます。本ツールでは「一般 − 特例の税額差」フィールドで、特例適用によりいくら節税できるかを常に表示します。
兄弟姉妹間の贈与、夫婦間の贈与、配偶者の親からの贈与(直系尊属ではない)、他人からの贈与は、すべて一般贈与の税率で計算します。受贈者が 18 歳未満の場合、直系尊属からの贈与でも一般税率になります。
110 万円以下なら申告は不要ですか。
同一の贈与者から受け取った贈与の年間合計額が 110 万円以下なら、暦年課税では贈与税の申告も納付も不要です。複数の贈与者から少しずつ受け取って合計が 110 万円を超える場合は、合算後の額から基礎控除 110 万円を引いた残額に課税されます(基礎控除は受贈者単位)。
例えば父から 80 万、祖父から 80 万を受け取った場合、合計 160 万円から 110 万円を引いた 50 万円が課税価格になります。特例贈与(直系尊属→18 歳以上)として 50 万 × 10% = 5 万円の贈与税が発生します。
速算控除額とは何を意味しますか。
速算控除額は、累進税率を「区分ごとに分けて計算した税額」と「課税価格全体に限界税率を掛けた額」のズレを補正するための値です。例えば特例贈与で課税価格 500 万円なら、本来は「200 万までは 10%・200 万〜500 万は 15%」と分けて計算すべきところを、500 万 × 15% − 10 万円 = 65 万円と一発で出せるようになっています。
速算控除額 10 万円は、200 万円ぶんを 15% ではなく 10% で計算すべきだった差額(200 万 ×(15% − 10%)= 10 万円)に相当します。各段の境界線で税額が連続するように設計されているため、課税価格を 1 円増やしても税額が大きく跳ね上がることはありません。
同じ年に複数の人から贈与を受けた場合はどうなりますか
基礎控除 110 万円は受贈者単位なので、複数の贈与者から受け取った場合も合算して 110 万円を超えた分が課税対象です。本ツールは「同一年・同一受贈者の合計額」を入力する想定なので、複数贈与者からの受贈は事前に合算してから入力してください。
なお、贈与者が一般・特例どちらにも該当する組み合わせ(父+叔父など)の場合は、一般・特例それぞれで按分して計算する必要があり、本ツールの対象外です。実務上は税理士または税務署にご相談ください。
相続前 7 年分の贈与は相続税に加算されるのですか。
2024 年改正により、贈与者が亡くなった日からさかのぼって 7 年以内 に受け取った暦年贈与は、相続税の課税対象に加算されるようになりました(旧制度は 3 年、2024/1/1 以降の贈与から段階的に延長されて 2031 年に 7 年が完成)。
加算される金額は「贈与時の価額」で、その期間中に支払った贈与税は相続税から控除されます。延長された 4〜7 年前の贈与については、合計 100 万円の控除があります。
これにより、相続直前の駆け込み贈与の効果は薄くなりましたが、7 年より前に行った贈与は引き続き相続税の課税対象外で、暦年課税の節税効果は維持されます。長期にわたって計画的に贈与を続ける場合は、暦年課税が今でも有効な選択肢です。本ツールでは贈与税のみを計算し、相続税側の加算は反映していません。
免責事項
本ツールは国税庁タックスアンサー No.4408・No.4402(2025/4/1 時点公表)に基づく暦年贈与税の概算試算です。
対応している計算:
・暦年課税の一般贈与・特例贈与(速算表 No.4408)
・基礎控除 110 万円
・特例贈与の 18 歳以上要件(贈与年 1/1 判定)
・一般 vs 特例の税額差の並列表示
本ツールが扱わない論点:
・相続時精算課税方式(姉妹計算機「相続時精算課税計算機」を参照)
・教育資金一括贈与(最大 1,500 万)の非課税特例
・結婚・子育て資金一括贈与(最大 1,000 万)の非課税特例
・贈与税の配偶者控除(婚姻 20 年以上の夫婦間で最大 2,000 万)
・住宅取得等資金の非課税特例
・相続前 7 年内贈与の相続税加算(2024 年改正)
・国外財産・非居住者贈与
・贈与税の申告期限・延納
・複数の贈与者から一般贈与と特例贈与を同時に受けた場合の按分
簡略化の前提:
・贈与税額の百円未満切捨は反映していません(連続値で表示)。
実際の納税額は税務署または税理士にご相談ください。