投資収益率(ROI)・年平均成長率(CAGR)の計算
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| 当初投資額(V₀) | 100,000 ドル |
|---|---|
| 最終評価額(V_f) | 150,000 ドル |
| 保有期間(t) | 5 年 |
グラフ
投資収益率(ROI)・年平均成長率(CAGR)の計算
投資金額の変化を、累計の収益率(単純ROI)と年率換算(CAGR)の二つの指標で同時に把握できます。直線と複利曲線を並べて描画するため、同じ「+50%」でも保有期間によって年率がまったく異なることが視覚的にわかります。
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ROIとCAGRの違い:累計収益率と年率換算
投資収益率(ROI)は、ある投資が当初投資額に対してどれだけの損益を生んだ かを示す割合です。年平均成長率(CAGR)は、その損益を保有期間で複利平均し た一定の年率です。同じ累計収益率でも保有期間が異なれば年率は変わるため、 保有期間の異なる投資を比較するときは年率換算が必要になります。本計算機は 両指標を同時に算出し、直線と複利曲線を並べて描くことで両者の違いを示します。
収益率を測る二つの指標
同じ取引について、累計の損益率と年率換算リターンという本来は異なる二つの 見方が混同されることがあります。両者は置き換え可能なものではなく、どちらを 使うべきかは目的に応じて変わります。
累計収益率 ― 「どれだけ増えたか」
当初投資額を 、最終評価額を とすると、単純ROIは
R=V0Vf−V0これが「見出し」になる数字です。期間全体の損益を一つのパーセンテージで 表現できるため伝えやすく、「黒字か赤字か」を確認するのも容易です。 ただし保有期間が異なる投資の比較には使えません。
年率換算リターン ― 「どれだけのスピードで増えたか」
年平均成長率(CAGR)は、 年で を に到達させる一定の年率です。
g=(V0Vf)1/t−1これが「比較指標」となります。5年で+30%(CAGR ≈ 5.4%)と10年で+50% (CAGR ≈ 4.1%)は、累計収益率だけを見ると後者のほうが大きく見え、しかも 長く保有しているぶん「総合的に有利」に映ります。しかし年率で見ると短期 保有のほうが明確に上回ります。年平均成長率は保有期間の違いを揃えてくれる物差し なのです。
計算例:二つの不動産物件
物件Aは5年間で+30%、物件Bは10年間で+50%のリターンとなったとします。 累計収益率だけを見れば、20ポイントの差で物件Bが上回ります。しかし
gA=1.301/5−1≈5.39%gB=1.501/10−1≈4.14%年率に直すと物件Aの方が約125bp(ベーシスポイント)高くなります。物件B の累計収益率が大きいのは、保有期間が2倍だったことによる累積効果であり、 年あたりの複利成長は物件Aより緩やかです。累計収益率だけでは保有期間の 違いが見えないため、年率換算によってこの差が明確になります。
グラフの読み方:直線と複利曲線
グラフ上の両方の経路は $t = 0$ で から始まり、 で に到達 します。違いは「途中の経路」です。
- 直線パス は、 「単純ROIを期間で均等按分する」と仮定した場合の経路で、両端点を 直線で結んだものに相当します。
- 複利曲線 は、一定の年平均成長率で 運用した場合に実際にたどる経路です。プラスのリターンなら序盤が緩やかで 後半にかけて加速する形に、マイナスのリターンなら序盤が急峻で後半に かけて緩やかになる形になります(どちらの局面も数学的には下に凸です)。
プラスのリターンの局面では、期間の中盤で直線パスが複利曲線より上に 位置します。これは「単純ROIで按分する」考え方が、各中間時点の評価額を 過大評価していることを意味します。マイナスの局面でも同様で、複利曲線は 引き続き直線パスより下に位置します。これは序盤に損失が集中して後半に かけて緩やかになることを示しています。両者が一致するのは両端と、 $t = 1$ 年のただ一点に限られます。
本計算機が意図的に扱わないこと
本計算機は始値・終値・期間の3項目で表現できる範囲の問いに答えるもので、 次の3点は対象外です。
- 期中のキャッシュフロー非対応。 保有期間中に追加投資・引き出し (定期積立、一部売却、消費してしまった家賃収入など)があった場合、 始値・終値だけのROIは適切ではありません。各キャッシュフローの発生 時点を加味する内部収益率(IRR)の計算が必要です。
- インフレ・税金・手数料は未考慮。 結果は名目・税引前・手数料引前の リターンです。実質購買力で評価したい場合は最終評価額を インフレ計算に通してください 。税引後で見たい場合は実効税率を損益に適用してください。
- リスク調整なし。 単一銘柄の値動きで稼いだ年平均成長率15%と、分散 ポートフォリオで得た年平均成長率15%は、計算機上では同じ数値ですが本質的 には比較できません。リスク調整後の比較にはボラティリティ (シャープ・レシオなど)が必要で、これは別の計算になります。
複利計算機・インフレ計算機との組み合わせ
3つの計算機は隣接する問いに答えるツールです。
- ROI・CAGR:始値と終値がわかっている実在の投資を振り返り、その リターンを特徴づけるときに使います。
- 複利計算 :想定する利率があり、将来価値を予測したいとき(必要に応じて毎月の積立も加えて)に使います。
- インフレ計算 :任意の名目リターンを実質購買力の数字に換算するときに使います。
典型的な使い方の流れは、本計算機で過去の投資の年平均成長率を算出し、それを 複利計算機に入力して将来価値を予測し、インフレ計算機で実質額に 換算する、というものです。
よくある質問 (FAQ)
なぜ単純ROIとCAGRで数値が違うのですか?
答えている問いが異なるためです。単純ROIは保有期間全体での通算変化率、年平均成長率(CAGR)は同じ期間に複利で運用したと仮定したときの年率です。一致するのはt=1年の場合のみで、1年を超える場合はCAGRはROI/tより小さく、1年未満の場合は逆に大きくなります。保有期間が長くなるほど両者の乖離は大きくなります。
短期投資のときは「月」や「日」で入力したほうがよいですか?
はい、シナリオに合わせて単位を選んでください。90日間のスイングトレードなら「90」を入力して単位は「日」、半年のスポット投資なら「6」と「月」です。内部で年単位に換算されるため公式は変わりません。ただし、極端に短い期間では年率換算の値が非現実的に大きくなることがあり、額面どおりに受け取らないよう注意が必要です。
配当金や分配金はどう扱えばよいですか?
本計算機は、配当・利息・分配金が同じポジションに再投資されたと仮定しており、それらは最終評価額に織り込まれている前提です。受け取った現金を別の用途に使った場合は、累計の受取額を最終評価額に加算してから入力してください。受取と再投資を厳密に分けて扱うには各キャッシュフローの発生時点を追跡する必要があり、入力2項目の計算機では扱いません。
物件Aは5年で+30%、物件Bは10年で+50%でした。どちらが優れた投資ですか?
年率で比較すると物件Aに軍配が上がります。A: 1.3^(1/5) − 1 ≈ 5.4% の年平均成長率(CAGR)。B: 1.5^(1/10) − 1 ≈ 4.1%。Bのほうが累計収益率は高いものの、それは保有期間が2倍だったことによる積み上げにすぎません。年平均成長率はまさにこのような錯覚を解きほぐすために使われる指標です。
元本割れした場合でもCAGRは計算できますか?
できます。V_f < V₀ であれば単純ROIもCAGRも負の値になります。意味合いとしては、「毎年これだけの率で目減りすると、この最終評価額に到達する」という年率減衰率です。数学的な下限は −100%(V_f = 0、つまり全損)で、それより下は定義されません。
免責事項
本計算機は、当初に一括投資し、保有期間中の追加投資・引き出しがなく、配当等は再投資されて最終評価額に含まれている前提で計算しています。インフレ調整(インフレ計算機を併用してください)、税金、売買手数料、リスクは反映していません。保有期間中に不定期のキャッシュフロー(家賃収入を消費した、定期的な追加投資、一部売却など)がある場合は、各キャッシュフローの発生時点を加味する内部収益率(IRR)の計算が必要で、本計算機では扱いません。投資判断は自己責任で行ってください。