株式バリュエーション指標の計算
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| 株価 | 50 ドル |
|---|---|
| 1株当たり純利益 | 4 ドル |
| 1株当たり純資産 | 25 ドル |
| 1株当たり配当金 | 1.5 ドル |
株式バリュエーション指標の計算
PER・PBR・ROE・配当利回り・配当性向・益回りを株価と1株当たり指標(EPS・BPS・DPS)から一括計算します。
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株式バリュエーション指標
株式バリュエーション指標とは、企業の市場価格と財務上の実態(利益・純資産・配当)を結びつける標準的な分析ツールです。企業の規模や通貨の違いを吸収して標準化されているため、大型株と中小型株、日本株と海外株を同じ基準で比較できます。
株価Pと、3つの1株当たり指標である1株当たり純利益(EPS)・1株当たり純資産(BPS)・1株当たり配当金(DPS)を組み合わせると、6つの代表的な株式指標が次のように算出できます。
PER(株価収益率)— 利益に対して何倍の株価か
PERは最もよく使われる株式指標のひとつで、「投資家が1円の利益に対して何円支払っているか」を表します。PER15倍なら、現在の利益水準が続けば15年で投資額を回収できる計算になります。
東証上場企業のPERは市場環境によって変動しますが、歴史的には以下の傾向があります。
| 業種 | PERの目安 |
|---|---|
| 電力・ガス(公益) | 10〜18倍 |
| 銀行・保険(金融) | 8〜14倍 |
| 食品・日用品(生活必需品) | 18〜25倍 |
| IT・半導体(成長株) | 25〜50倍以上 |
| 赤字企業 | 算出不可 |
日経平均株価の平均PERは過去30年で概ね14〜22倍の範囲で推移しており、バブル期(1989年)には60倍超まで達したこともあります。
実績PERと予想PER: 実績PERは過去12カ月の実績EPSを使い、予想PERはアナリスト予想を使います。実績PERは確定した数字、予想PERは精度が変わります。両方を比較することでその企業の成長期待を読み取ることができます。
PBR(株価純資産倍率)— 解散価値との比較
PBRは株価を1株当たり純資産(BPS)で割った指標です。PBR2倍は、帳簿価格の2倍の価格がついていることを意味し、その差額はブランド価値・特許・顧客関係などの無形資産が評価されていることを示します。
- PBR 1倍未満 — 市場が帳簿価値を下回る評価をしており、「解散価値割れ」とも呼ばれる
- PBR 1倍 — 帳簿価値と市場価値が一致している状態
- PBR 1倍超 — 収益性や成長性への期待が帳簿価値に上乗せされている
2023年、東京証券取引所はPBR1倍割れが続く企業に対して資本コストや株価を意識した経営改善策の開示を要請しました。これを受けて自社株買いや増配による資本効率改善の動きが広がっています。銀行・不動産など有形資産の多い業種にはPBR比較が有効ですが、IT・サービス業では無形資産が大きく帳簿価値に反映されにくいため、PBRを単独で用いる際には注意が必要です。
自己資本利益率(ROE)— 株主資本の稼働効率
自己資本利益率(ROE)は「株主が預けたお金をどれだけ効率よく利益に変えたか」を示す指標で、純利益÷自己資本(または EPS÷BPS)で計算します。
自己資本利益率15%は、株主資本1円につき0.15円の利益を生んでいることを意味します。経済産業省の「伊藤レポート」(2014年)が企業に対してROE8%以上の達成を求めて以来、機関投資家が重視する指標になりました。ただしROEは財務レバレッジ(借入)を増やすことでも向上するため、自己資本比率や負債資本倍率(D/Eレシオ)と合わせて評価することが重要です。
配当利回りと配当性向
配当利回りは株価に対する年間配当収入の割合を示します。
4%の配当利回りは、100万円投資すると毎年4万円(税引前)の配当が受け取れることを意味します。
配当性向は配当の持続可能性を判断します。
配当性向40%は純利益の40%を配当に回し、残り60%を内部留保していることを示します。配当性向が100%を超えると利益以上の配当を支払っていることになり、業績が落ち込めば減配リスクが高まります。日本企業の平均的な配当性向は30〜40%程度とされています。
益回り(株式益回り)— 債券と比べた株式の魅力度
益回りはPERの逆数(EPS÷株価)をパーセント表示したもので、株式の収益力を債券利回りと直接比較するために使います。
たとえばPERが16倍なら益回りは6.25%です。この数値と10年国債利回り(例:1.5%)を比較すると、イールドスプレッドは4.75%ポイントになります。このスプレッドが大きいほど株式が債券より相対的に割安とみなされ、縮小すると株式の割高感が増します。
計算例:東証上場の機械メーカー(想定)
以下は東証プライム市場に上場する中型機械メーカーを想定した例です。
- 株価:4,780円
- EPS(TTM):385円
- BPS:2,240円
- DPS(年間):120円
各指標の計算結果:
- PER = 4,780 ÷ 385 = 12.4倍 — 東証平均を下回るやや割安水準
- PBR = 4,780 ÷ 2,240 = 2.13倍 — のれんや無形資産を反映して帳簿価値超え
- 自己資本利益率 = 385 ÷ 2,240 = 17.2% — 伊藤レポートの8%基準・市場平均の10%超え
- 配当利回り = 120 ÷ 4,780 = 2.5% — 東証プライム平均並みの配当水準
- 配当性向 = 120 ÷ 385 = 31.2% — 増配余地が残る健全な水準
- 益回り = 385 ÷ 4,780 = 8.1% — 国債利回りとのスプレッドが大きく株式の相対的魅力度は高い
この結果からは、収益性が高くPERも割安感のある、安定配当銘柄としての特性が見えてきます。
実績値と予想値の違い
この計算機はすべて過去12カ月(TTM)の実績値を使用します。実績値は確定した数字であるため信頼性が高い反面、過去を見ているため急成長中の企業では実態より割高に見える場合があります。予想EPSを使った予想PERとあわせて確認するのが一般的なアプローチです。
この計算機の使い方
- 株価を入力する — 現在の市場価格(円、ドル、ユーロなど)を使ってください
- EPSを入力する — 損益計算書や株式情報サービスの「1株当たり純利益(TTM)」から取得
- BPSを入力する — 貸借対照表の純資産÷発行済株式数、または「1株当たり純資産」として開示されている数値
- DPSを入力する — 年間配当金総額(中間+期末)の1株当たり金額。無配当なら0を入力
4つの入力値はすべて同じ通貨で入力してください。比率(PER・PBRなど)は通貨に依存しないため、円でもドルでも同じ結果が得られます。
よくある質問 (FAQ)
PERの適正水準はどのくらいですか?
「適正なPER」は業種・成長フェーズ・市場環境によって異なります。東証プライム市場の平均PERは歴史的に14〜18倍程度で推移してきましたが、低金利局面では20倍超になることもあります。成長株(IT・バイオなど)は30〜60倍以上で取引されることも珍しくなく、公益・金融などの成熟業種は8〜14倍が多い傾向です。重要なのは「同業他社との比較」と「その銘柄自身の過去PERとの比較」です。PERが低いからといって割安とは限らず、業績悪化や将来の減益懸念を織り込んでいる場合もあります。
PBRが1倍を下回っているのはなぜですか?
PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回ると、市場が企業の帳簿上の純資産より低い価値しか認めていないことを意味します。これは「解散価値割れ」とも呼ばれ、収益性の低さや将来の資産毀損リスクが背景にある場合が多いです。2023年、東京証券取引所はPBR1倍割れ企業に対して資本効率改善策の開示を要請し、ROEの向上や自社株買い・増配を促す動きが広がりました。銀行・保険などの金融業はPBR比較が有効ですが、無形資産の割合が高いIT・サービス業では帳簿価値が実態を反映しにくいため、PBRを単独で使う際は注意が必要です。
配当利回りの計算方法は?
配当利回り=年間1株当たり配当金(DPS)÷ 株価。たとえば、年間配当が1株80円で株価が2,000円なら配当利回りは80÷2,000=4.0%です。配当利回りは株価が下がると上昇し、株価が上がると低下します。利回りの急上昇は「増配」ではなく「株価下落」が原因であることも多いので、配当金の水準が維持・増加しているかを合わせて確認することが重要です。東証プライム上場企業の平均配当利回りは2.0〜2.5%程度(2024年時点)で、J-REITや高配当銘柄では4〜6%超の銘柄も存在します。
配当利回りと配当性向の違いは?
配当利回りは「株価に対して配当がどれくらい受け取れるか」を示す投資収益率の指標です。配当性向は「純利益のうち何%を配当として還元しているか」を示す配当の持続可能性の指標です。たとえば配当利回りが4%でも配当性向が90%なら、利益のほぼすべてを配当に回しており増配余地は小さいです。配当性向が40%なら残り60%を内部留保に回せるため、増配や事業投資の余裕があります。配当性向が100%を超えると、利益以上の配当を支払っていることになり、長期的には配当維持が困難になります。日本企業の平均配当性向は30〜40%程度とされています。
益回り(株式益回り)は何に使いますか?
PERの逆数である益回りを使うと、株式の収益力を債券利回りと直接比較できます。たとえばPERが16倍なら益回りは6.25%です。10年国債利回りが1.5%なら株式の益回りとの差(イールドスプレッド)は4.75%ポイントあり、株式の相対的な魅力度が高いと判断できます。逆に国債利回りが上昇してイールドスプレッドが縮小すると、株式の割高感が意識されやすくなります。米国ではFRBモデルとして知られる手法で、アナリストが日経平均の株式益回りと10年国債利回りを比較する際にも広く使われています。
免責事項
この計算機は過去12カ月の実績値(TTM EPS・直近BPS)を使用しています。予想ベースや調整後の数値を使う場合は結果が異なります。各指標は参考情報であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は金融商品取引業者または税理士・ファイナンシャルプランナー等の専門家にご相談ください。